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経済分野について、です。産業革命期に突入していた当時の日本経済の状況についての参考図書です。また、産業革命の象徴とも言える鉄道について、日本での発達史に関する参考図書も挙げました。
石井寛治 『日本の産業革命−日清・日露戦争から考える』
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本書の目的について、著者は「序章」の中で、「歴史研究の細分化と分散化を克服して、歴史の全体像をあらためて組み立てる」こと、そのさい「産業革命の真っ最中に日本が東アジアにおいて経験した二つの」「戦争と産業革命の関係を考える」ことであるとしています。 一口で言えば、1873(明治6)年の政変以後、第1次世界大戦が起った1914(大正3)年までの約40年の期間についての、日本経済史の概説書です。 分かりやすい記述で、日清戦争の研究者には必読書の1冊であるように思います。 なお、本書は、現在は講談社学術文庫から出版されています。 |
本書は、本ウェブサイト中、下記のページで引用等を行っています。
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本書は、明治維新から、おおむね日露戦争期までの、日本の経済史を叙述しています。 おそらくは本書が出版された時期の時代性もあって、本書の記述には、「教条的」と感じられる用語もしばしば使われてはいますが、内容はきわめて学究的であり、また具体的です。 石井寛治の上掲書と比べると、当時の統計資料からの引用がより豊富である点に、本書の一番の特徴があり、その点で、本書は価値を持っているように思います。 本書は、本ウェブサイト中、「戦争前の日清朝3国の状況−日本の状況C 経済の状況」、および「戦争の結果−日清戦後の軍拡」のページで、引用等を行っています。 |
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日清戦後の、1896(明治29)年から98(明治31)年にかけて、著者自身が、東京の貧民や職人、桐生・足利地方の織物工業や阪神地方の燐寸工場などの手工業労働者、大阪の紡績工場や東京の鉄工場など機械制工場の労働者、富山の小作人など、日本の労働階級の状況を実地調査し、分析・提言を行っている「報告書」です。 著者は、必ず、その産業に関する政府統計など、当時活用できた客観的・定量的な資料からマクロな状況を把握したのち、現場でのヒアリングで、統計数字には現れていない状況を確認し、総合的・ニュートラルに分析して、状況改善への提言を行っています。 岩波文庫の現行版のカバーには、「明治期ルポルタージュの白眉」と書かれていますが、これでは本書の性格を適切に表現しているとは言いがたく、誤解を招くおそれがあると思います。 |
「わが国の産業革命期における、新旧下層各層の生活・労働状態を、客観的かつ綜合的にあきらかにした社会学の古典である」(岩波文庫版、巻末の「小伝」)という評価が、やはり適切であると思います。
日清戦争期の日本を理解するためには、必読書の1冊であるように思います。
本書は、本ウェブサイト中、下記のページで引用等を行っています。
日本の鉄道史の入門書には、他にもっとよいものがあるかもしれません。たまたまこの本を見つけたので活用しました。「図説」であり分かりやすいので、初歩的な知識をてっとり早く得るのに役立ちます。
本書は、本ウェブサイト中、「戦争前の日清朝3国の状況−日本の状況C 経済の状況」のページで引用等を行っています。
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明治期の日本の鉄道建設の歴史について、機関車や車両、あるいは土木工事などの技術面から、鉄道運営の管理面、法制面まで、総合的に叙述した本です。 書名中の「物語」の語は、通史的でわかりやすいことを示すために使われていると思います。たしかに細かな注記はありません。しかし内容はなかなか詳細です。 幕末に欧米を訪問した日本人の鉄道体験から説き起こし、明治末年に日本が機関車の国産化を行って鉄道技術において完全に自立、また日露戦争に戦勝して日本国内と朝鮮・満州との能率的な輸送体系を構築し、さらにシベリア鉄道を介してヨーロッパへの連絡輸送が可能となったところまでの記述です。 |
本書は、本ウェブサイト中、「日本の戦争準備−日本の軍備状況」のページで、引用等を行っています。
次は、日本国外の状況、すなわち、当時の帝国主義の状況と、日清戦争期の朝鮮および清国に関する参考図書・資料について、です。