日清戦争で戦場となった地域
日清戦争で
戦場となった地域
(黄は陸戦、赤は海戦)
 
 
カイゼン視点から見る
日清戦争
The Sino-Japanese War of 1894-95 from Kaizen Aspect

日清戦争の本・資料 - 時代背景がわかる記録

生方敏郎 『明治大正見聞史』
『ニュースで追う明治日本発掘』、
清水勲 『ビゴーが見た明治ニッポン』
酒井・清水 『日清戦争期の漫画』

上 日本陸軍の旅順西方砲撃 下 日本海軍の速射砲砲撃
上 日本陸軍の
旅順西方砲撃
下 日本海軍の速射砲砲撃
(日清戦争写真帳より)
 
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時代背景がわかる記録

日清戦争の時代背景がわかる記録には、当時の新聞記事や風刺漫画、同時代に書かれた従軍記、少し後の時代に当時を思い出して書かれた回想記、などがあります。以下はそうした資料です。

橋川文三編 現代日本記録全集6 『日清・日露の戦役』
筑摩書房 1970

日清・日露の戦役 表紙写真
 

当時の時代を語る著作からの抜粋集です。 日清戦争については、下記が収録されています。抜粋が手軽に読めるのがメリットです。

  • 生方敏郎 『明治大正見聞史』(1926年)より 「日清戦争のころ」
  • 徳冨蘇峰 『自伝』(1935年)より 「日清戦争と新聞」
  • 南部麒次郎 『或る兵器発明家の一生』(1953年)より 「日清戦争従軍記」
  • 国木田独歩 『愛弟通信』(1894‐95年)より抜粋

特に、生方敏郎の文章は、日清戦争期の一般民衆の考え方や、当時の日本の近代化進展状況の実情を知る点で、大変に役に立つ証言になっていると思います。

もちろん、生方敏郎や徳冨蘇峰については、抜粋集に頼らず、その著作そのものを手に入れることも容易です。

本書収録作品のうち、生方敏郎 『明治大正見聞史』については、本ウェブサイト中、「戦争前の日清朝の状況−日本の状況A 対外硬派」のページで、その内容の一部に触れています。


鈴木孝一編 『ニュースで追う明治日本発掘5 日清戦争・閔妃暗殺・兇悪殺人の時代』 河出書房新社 1995


ニュースで追う明治日本発掘 表紙写真

当時発行された新聞記事を集めたものです。慶応4年から明治45年までを全9巻に分け、そのうち第5巻が、「日清戦争・閔妃暗殺・兇悪殺人の時代」としてまとめられています。

この巻は、主に明治25〜29年の期間を扱っていますが、この期間以外の記事も少なくありません。記事の並べ方は日付順ではなく、しかし、テーマごとにシステマティックに分類・整理されているわけでもありません。

記事そのものは、現代表記・句読点追加などが行われていますので、読みやすさで大きなメリットがあります。

書名通り、日清戦争や閔妃殺害に関する記事が多数収録されていますが、いわゆる「三面記事」も少なからず収録されていて、この時代に起こった出来事についても、いろいろ発見できます。

例えば、日清開戦の3か月前に奈良県吉野で起こった7人殺しの記事とか、開戦直後に東京に来ていたアメリカの奇術一座の記事などもあり、読み物としても楽しめるものです。

本書も、本ウェブサイト中、「戦争前の日清朝の状況−日本の状況A 対外硬派」のページで、その内容の一部に触れています。


清水勲 『ビゴーが見た明治ニッポン』
講談社学術文庫 2006

ビゴーが見た明治ニッポン 表紙写真

清水勲には、ジョルジュ・ビゴーを紹介する著作が多数あります。この『ビゴーが見た明治ニッポン』は、その中でベストだというわけではなく、筆者がたまたまこれを読んだ、というだけです。同著者には、日清戦争の時代を理解するのに、もっと適切な著作があるかもしれませんが、本書も役立ちます。

ビゴーはフランス人で、1882年21歳で来日、日清戦争開戦の年1894年には日本人女性と結婚、日清戦争には外国紙の特派通信員として従軍、1899年に離婚して帰国しています。この間に日本と日本人を描いた多数のスケッチを描き、また時局風刺雑誌も出版しています。(本書の年表による)

まだ写真が活用され出す前の時代ですから、ビゴーのスケッチは、視覚的に日清戦争前後の時期の日本、とりわけ日本人の生活ぶりを理解できるものとして、非常に貴重だと思います。


酒井忠康・清水勲編 『近代漫画III・日清戦争期の漫画』
筑摩書房 1895

日清戦争期の漫画 表紙写真 

もうひとつ、視覚的な資料です。こちらは、日清戦争の前後の期間(帝国議会開設〜日清戦争〜隈板内閣まで)の、政治風刺の漫画集です。ビゴーを中心に、田口米作や小林清親などの作品が集められ、解説が付されています。

当時の人が、諷刺の対象として何を選び、どう風刺したのかを知ることは、その時代の理解を一つ進めることだと思います。

ただし、当時の政治状況の詳細まで承知していない現代の我々が、当時の政治漫画の絵だけを見て、その言わんとするところを理解することはなかなか困難です。

やはり本書のように、ひとつひとつの漫画に解説が付けられていると、たいへんに助かります。

本書も、本ウェブサイト中、「戦争前の日清朝の状況−日本の状況A 対外硬派」のページで、その内容の一部を引用しています。


次は、日清戦争についての総合的な研究書についてです。


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