日清戦争で戦場となった地域
日清戦争で
戦場となった地域
(黄は陸戦、赤は海戦)
 
 
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日清戦争
The Sino-Japanese War of 1894-95 from Kaizen Aspect

日清戦争の本・資料 − 日清戦争の戦史研究@

原田敬一 『日清戦争』
斎藤聖二 『日清戦争の軍事戦略』
中塚明 『歴史の偽造をただす』
中塚明 『現代日本の歴史認識』

上 日本陸軍の旅順西方砲撃 下 日本海軍の速射砲砲撃
上 日本陸軍の
旅順西方砲撃
下 日本海軍の速射砲砲撃
(日清戦争写真帳より)
 
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カイゼン視点から見る 第一次世界大戦

公刊戦史以外の戦記史料も参照して、戦史そのものを研究したものも、多数あります。ここでは、それら戦史研究書を挙げます。

このページで挙げているのは、そのうちの4冊です。

この分野で代表的な2冊は、日清戦争の全過程を論じています。

  • 原田敬一 『日清戦争』
  • 斎藤聖二 『日清戦争の軍事戦略』

また、中塚明の下記の著作は、日清戦争の戦争過程の一部を詳細に論じています。

  • 中塚明 『歴史の偽造をただす』
  • 中塚明 『現代日本の歴史認識』

原田敬一 『日清戦争 (戦争の日本史19)』
吉川弘文館 2008

原田敬一 日清戦争 表紙写真

著者は本書の「プロローグ」で、「私たちが日清戦争を再検討するのは、それを通じて日本近代の歴史的な位置を確かめるためである」、「もう一つ本書で追求したいのは日清戦争の軍事史的解明である」としています。

本書は、日清戦争について、その戦史に集中した研究書であり、公刊戦史と同様、開戦直前の状況から、講和後の台湾征服戦まで扱っています。

研究書であり、公刊戦史以外のさまざまな戦記資料や戦史研究書も参照して書かれていますので、戦争の過程について、公刊戦史よりも実際にあった事実の確認が進んでいる、と言えます。

日清戦争を理解するための必読書の一つ、と思います。

本書は、本ウェブサイト中の「日清戦争の経過」の全般で、もっとも多く引用等を行っている本です。それ以外では、下記のページで、引用等を行っています。


斎藤聖二 『日清戦争の軍事戦略』
芙蓉書房出版 2003

斉藤聖二 日清戦争の軍事戦略 表紙写真

日清戦争の軍事的側面に関する論文集です。著者は「序」の中で、「軍事的観点を軸として日清戦争を見直してみようとするもの」であり、「軍事的側面を実証的に跡付けていく」ものであるとしています。

各章の内容は、下記のようになっています。

  • 戦争の準備過程
  • 開戦と派兵
  • 朝鮮半島での電信線強行架設
  • 兵員輸送の展開
  • 遼東半島作戦から山東半島作戦へ
  • 直隷決戦の準備と講和
  • 戦後の軍拡案
  • 寺内正毅のヨーロッパ軍事視察

著者の研究では、防衛省の防衛研究所が保有する豊富な史料が活用されているようです。

公刊戦史や通常の戦史研究書には現れない、しかし戦争の遂行には必須の実務的な経過まで実証したものであり、大きな価値がある研究書であると思います。

本書からは、本ウェブサイト中、下記のページで引用等を行っています。


中塚明 『歴史の偽造をただす − 戦史から消された日本軍の「朝鮮王宮占領」』
高文研 1997

中塚明 歴史の偽造をただす 表紙写真

本書は、その書名をみただけで、「教条的」であるとか、ジャーナリスティックに煽情的だとか、学究的とは思えない、といったイメージを持たれる可能性があるように思います。

しかし、本書の内容の中心部分は、下記となっています。

  1. 発見された『日清戦史』の草案から判明した、日清開戦直前、1894年7月23日の「朝鮮王宮襲撃」事件での、日本軍の行動の具体的な詳細
  2. 「日露戦史編纂綱領」の内容、および日清戦史には編纂方針があったのかの検討

本書のこの中心部分は、まさしく戦史研究となっており、著者はきわめて学究的に検討を行っていて、イデオロギーには関係がありません。読む価値が高いと思います。

ところどころに現れている、著者の「教条的」な表現が気に入らない方は、そうした表現の個所だけ読み飛ばされればよいと思います。

本書からは、本ウェブサイト中、下記のページで引用等を行っています。


中塚明 『現代日本の歴史認識』
高文研 2007

同じ著者によるもので、上掲の『歴史の偽造をただす』よりさらに「教条的」な表現が豊かな本です。

しかし、本書も、そのうち第3章だけは、上掲書の内容と重複する部分も多いものの、史料の紹介が中心となっていて、価値があります。

とくに、下記の部分は役に立つと思います。

  1. 江華島事件について、雲揚の艦長であった井上良馨による、当時のいくつかの報告書の紹介
  2. 王宮襲撃事件に関連して、日清戦史編纂方針に関する史料や大院君のかつぎだしに関する関係者の回想の紹介

本書からは、本ウェブサイト中、「日清戦争の経過−総括 戦費と戦死者」のページで引用等を行っています。


日清戦争の戦史研究書が続きます。


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